当たり前の幸せ
土曜日の21時
施術中に携帯電話が鳴った
22時に再びかかってきたのでお客様にお断りして出てみると
一人で民宿を経営している友人が
今、近くで
土砂崩れが発生したため
お客様を森の家に託し
避難勧告に従い家を出ていて泊めてほしいとのこと
22時半過ぎに
ボストンバッグに遺牌と現金と
どうでもいいようなものを詰めて避難してきた
彼女持参のサンドイッチで深夜に夕食を済ませ
一人で寝るのが不安な友人と布団を並べて休んだ
次の朝彼女は
1週間分の民宿予約のお客様にお断りの電話をして
コーヒーと簡単な朝食を済ませ一時帰宅
「お陰で元気が出たよ~」と手を振りながら
私も家に帰り家事
母の様子見と
午後の仕事を済ませ
夜また店に向かい彼女のためにささやかな宴を準備して待つ
悲惨な状況だが
甘え下手な彼女との有意義な時間の中で沢山の話しができた
とりあえず命があれば何とかなる
「死ぬこと以外かすり傷」なんて二人で話しながら
毎日の当たり前がいかに幸せかをあらためて感じる
明日の事は誰も分からない
一瞬一瞬が大切なのだと思う
「二つの道があったらつい困難な方を選んでしまう」という彼女
沢山の人を助けてきた
そして今
多くの人たちに助けられている
関東に住むお嬢さんが車で迎えに来られてしばし避難生活
大きな決断を迫られた今
また困難な道を選ぶのだろうか
魂の修行はまだまだ続く
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